軽い肥満の人は標準体重の人より早死にしない=米政府調査

軽い肥満の人は標準体重の人より早死にしない=米政府調査
ウォール・ストリート・ジャーナル 1月3日(木)16時42分配信

せっかくの新年の誓いを揺るがしかねない研究結果が明らかになった。米政府機関の研究で、軽い肥満の人の死亡リスクは標準体重の人より低いことがわかったのだ。中程度の肥満の人でも標準体重の人より死亡リスクが高いわけではないという。

研究は米疾病予防管理センター(CDC)が行い、研究結果はジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・メディカル・アソシエーション(JAMA)に2日、掲載された。

研究によると、体格指数(BMI)が25から30の人は標準(18.5から25)の人よりも死亡リスクが6%低かった。このグループの人は肥満(1度)とされ、米国人口の30%以上を占める。

BMIは体重(キログラム)を身長(メートル)の2乗で割って算出する。身長1メートル83センチの人の場合、体重が81.6キログラムならBMIは24.4で標準。体重が90.7キロならBMIは27.1で肥満(1度)、体重が104.3キロになると、BMIは30(2度)に分類される。

BMIが35以上の高度に肥満の人の死亡リスクは29%高いという。

また、初期段階の肥満とされるBMIが30から35の人は標準と比べて死亡リスクが5%低かったが、この数字は統計的に有意とされなかった。

もっとも、保健の専門家はこのような研究結果が出たからと言って、もっとたくさん食べていいことにはならないと述べた。

CDCのトーマス・フリーデン所長は、「そう受け取ったとしたら間違いだ。この研究では肥満の人の死亡リスクが上昇することが示されている」と話した。フリーデン所長は、「体をもっと動かして、より健康な食生活をすることは健康にとって非常に重要であるという基本的な事実に異議を唱える人はいないと思う」は話している。

今回の研究は「肥満の逆説」と呼ばれる現象を証明したものとしては最新かつ最大規模の研究だ。肥満は心臓病や2型糖尿病、いくつかのがんのリスク増大と関連しており、早死にのリスクを上昇させる。

しかし、これまでの研究で、心臓病や糖尿病などの慢性疾患をかかえる人は体重が標準体重より数キログラム重い方が長生きする傾向があることがわかっている。これが「肥満の逆説」だ。

CDCは世界で約300万人と27万件の死亡例を対象に行われた97の研究を分析。今回の研究の代表執筆者でCDCの上級科学者のキャサリン・フルーガル氏は「調査結果には年齢、地域にかかわらず一貫性があった」と述べた。

一方、今回の研究結果によってBMIが健康を判断する基準としては不正確であることが明らかになったと主張する専門家もいる。BMIは脂肪と筋肉の量を区別しないためだ。運動選手の多くは実際にはまったくの健康体だが、BMIを基準にすると肥満と判断される。

BMIでは体のどの部分に脂肪がついているかもわからない。専門家は脂肪の総量より脂肪のついている場所のほうが重要らしいと指摘している。

研究者によると、腹部に余分な脂肪がついている場合は特に危険なようだが、臀部や足についている余分な脂肪は保護的な役割を果たす可能性がある。

心臓病や糖尿病、高血圧、腎臓病の患者が少し肥満なほうが長生きする理由ははっきりしない。一説には、こうした患者が十分な栄養を摂取できない場合、体重が数キロ多ければ、その蓄えを代謝に回すことができるためと考えられている。

人は病気がひどくなると体重が減り、衰弱する傾向にある。そのせいで、BMIが標準の人の死亡率が高く見えると指摘する専門家もいる。

フルーガル氏によると、今回の研究結果では体重が標準以下の被験者が少なく、十分なデータが取れなかったため、BMIが標準以下の人の死亡率は評価しなかったという。しかし、これまでの研究で、BMIが18.5以下の人の死亡リスクはわずかに高いことが指摘されている。

専門家は、医師はBMIよりも血圧、血糖値、コレステロール値、中性脂肪、胴囲といった具体的な基準に頼るべきだと指摘した。また、患者は体重を気にするより健康を維持したり健康な食生活を送ることに気を配ったほうがいい。

ノースウエスタン大学ファインバーグ医学部の疫学者、メルセデス・カーネソン氏は「太っていることは良いことだというメッセージを発信したくない。現実には、軽い肥満の人は肥満になることが多く、それは良いことではないのは明らかだ」と述べた。

低炭水化物ダイエットご用心…発症リスク高まる

炭水化物を制限する食事を長期間続けると、心筋梗塞や脳卒中になる危険性が高まるとの研究を、ハーバード大などのグループが英医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」に発表した。


炭水化物を減らすダイエットが日本でも広まっているが、慎重に取り組む必要がありそうだ。

同研究グループは1991〜92年、スウェーデンの30〜49歳の女性4万3396人の食生活を調査し、その後平均約16年間、心筋梗塞や脳卒中などの発症を追跡調査した。

1270例の発症例を、炭水化物とたんぱく質の摂取量によって10段階に分けて分析。炭水化物の摂取量が1段階減り、たんぱく質の摂取量が1段階増えるごとに、それぞれ発症の危険が4%ずつ増えた。

一般的に炭水化物を制限する食事では高たんぱく質になる傾向がある。低炭水化物・高たんぱく質のグループでは、そうでないグループに比べて危険性が最大1・6倍高まった。

(2012年7月8日09時52分 読売新聞)

ソウル大教授、幹細胞研究の論文捏造か…悪夢再来?

ソウル大教授、幹細胞研究の論文捏造か…悪夢再来?
2012.6.3 17:23 [韓国]

 韓国のソウル大教授が学術誌に投稿した幹細胞研究の論文14本に捏造(ねつぞう)の疑いが浮上し波紋を呼んでいる。教授は「単純ミス」と釈明しているが、事態を重く見た同大は5月30日に調査委員会を設置、真相の究明に乗り出した。

 韓国では2005年、ノーベル賞も期待されていた別のソウル大教授が発表した胚性幹細胞(ES細胞)関連論文で捏造が発覚、社会に衝撃を与えた。同じ大学で同分野の論文が問題となっていることから、韓国メディアは「悪夢の再来か」などと報じている。

 論文の著者は獣医学部の姜秀庚教授(46)。疑惑のきっかけは、5月8日、姜教授の論文を掲載した10の学術誌に一斉に送られた匿名情報。06年から今年にかけて発表された14本の論文で、同じ写真を画像データの明るさを変えたり左右を逆にしたりして、不正に流用しているなどと指摘した。
(共同)

 

BMI20以上25未満、最も死亡率低い、146万人データから

BMI20以上25未満、最も死亡率低い、146万人データから


すでに様々なデータがでていますが、痩せすぎても太りすぎでも長生きは
できないのですな。中庸がよいのでしょうか。


2010年12月06日 ソース:NEJM(論文一覧)
文献:de Gonzalez AB et al. Body-Mass Index and Mortality among 1.46 Million White Adults. NEJM. 2010; 363:2211-2219

19件の前向き研究に参加した白人成人(19-84歳)146万人のデータを用いて、BMIと全死因死亡率の関連を調査。BMI40.0-49.9の女性では基準(BMI22.5-24.9)に比べ死亡ハザード比が2.51となるなど、男女ともに過体重・肥満で死亡リスクの上昇を認めた。最も死亡率が低かったのはBMI20.0-24.9だった。

「豊かな死」1位は英国 日本は23位、医療費高で

「豊かな死」1位は英国 日本は23位、医療費高で
2010年7月15日 提供:共同通信社

【シンガポール共同】

世界で最も「豊かな死」を迎えられるのは英国-。英調査会社が14日、終末医療の現状などを基準にした40カ国・地域の「死の質ランキング」を発表。日本は高額な医療費と医療に従事する人員の不足がたたり、23位と低い評価だった。

調査したのは、ロンドンが拠点のエコノミスト・インテリジェンス・ユニット。終末医療や苦痛を和らげる緩和医療について各国の医療関係者に聞き取りを行い、普及状況や質、医療費など複数の観点から評価した。

トップは英国で、ホスピス普及率の高さに加え、専門家養成の環境が整備されていることなどが評価された。2位以下はオーストラリア、ニュージーランドが続いた。

高齢化が著しい日本について、調査に当たったトニー・ナッシュ氏は「医療システムは高度だが、在宅医療など患者や家族に寄り添うケアが難しいようだ」と分析した。

施設の整備度が評価される一方、医療保険の不備が問題視された米国は9位。中国(37位)、ブラジル(38位)など新興国は軒並み評価が低く、人口増大に医療普及が追いつかないと指摘されたインドは最下位だった。
 

コレステロール:「善玉」増やし動脈硬化防止

コレステロール:「善玉」増やし動脈硬化防止

◇悪玉コレステロールとの比率改善を/禁煙、運動が効果的
毎日新聞 2010年7月2日 東京朝刊

そろそろ職場で行った健康診断の結果が分かるころ。気になるコレステロール値に悪玉(LDL)と善玉(HDL)があるのはよく知られているが、意外に見落としやすいのが善玉の数値。悪玉と善玉の比率(LH比)を知って動脈硬化防止を心掛けたい。【小島正美】

東京都内の男性(58)は健康診断の結果、悪玉のLDLが1デシリットル当たり125ミリグラム、善玉のHDLは同45ミリグラムだった。脂質異常症と診断されるのはLDL値が140以上、HDLが40未満のため、特に異常はない。

ところが、たまたま超音波検査(エコー検査)で心臓周辺の血管を調べてもらったところ、鎖骨下の動脈の血管に脂がたまり、血管が狭くなっていることが分かった。

この男性のケースをどう考えればよいか。生活習慣病予防外来で脂質異常症などの患者を多く診ている武田病院健診センター(京都市)の桝田出(いづる)所長(京都大学医学部臨床教授)は「こういうケースは珍しくない」と日ごろの治療体験から話す。

続けて、「悪玉のLDLが正常目安の120未満であっても、HDLが低い場合は心筋梗塞(こうそく)を起こすリスクがけっこう高いので、LDLとHDLの比率であるLH比(LDL÷HDL)を見ることが重要だ」と指摘する。

HDLは血管に付着した悪玉コレステロールを運び去る働きをする。つまり、HDLが低いと血管に脂がたまりやすくなるわけだ。

◇ ◇

小倉記念病院(北九州市)が06〜07年に、急性心筋梗塞や狭心症で運ばれた患者約370人を調べたところ、LDLの平均値は正常範囲内の111ミリグラムだった。さらにLDLが100未満と低く、より正常と思われた患者141人を調べたところ、約3割の人はHDLが40未満と低かった。

同様の報告はほかにもある。カレスサッポロ北光記念クリニック(札幌市)の佐久間一郎所長らの研究報告によると、心筋梗塞になった北海道内の男性患者571人のうち、313人(約55%)はLDLが120未満と正常範囲だったが、HDLは正常範囲とはいえ低めの40〜50程度だった。

こうした研究結果から、桝田さんは「LDLとHDLの比率が2〜2・5以上ある場合は、たとえLDLが正常範囲でも、要注意と考え、念のためにエコー検査で頸(けい)動脈の様子を調べた方がよい」と話す。

エコー検査をすれば、血管の中に脂がどれくらいたまっているかが分かる。佐久間さんのクリニックでは、健診を受けた人にLH比を最初から見せている。その比率が2〜2・5以上の場合には、生活指導や治療を勧めている。佐久間さんは「HDLが正常範囲でも40台の人は要注意だ」とHDLの数値の重要性を話す。

◇ ◇

動脈硬化などに詳しく、LH比を重視した診療を提言している倉林正彦・群馬大学医学系研究科教授は「健康な人では、まずLDLを120以下まで下げ、LH比を2以下にする。糖尿病や高血圧、家族に脂質異常症のある人は、LH比を1・5程度にするのがよい」とアドバイスする。

医療機関では一般的に、LH比の改善には肝臓でのコレステロールの合成を抑えるスタチン系薬剤が使われる。また、中性脂肪の高い人はコレステロールの腸での吸収を抑える薬剤を組み合わせることもあり、3〜4カ月程度の服用で改善するケースが多い。

薬以外でHDLを上げる方法としては、喫煙をやめて、運動するのが一番効果的だ。東山武田病院(京都市)では患者の体力に応じた運動もアドバイスする。今井優・健康運動指導科長は「1日30分程度歩く運動を続けるだけでも、約2〜4カ月でHDLが上がる」と運動の大切さを強調している。

==============

■LDLとHDLの判定目安

正常範囲 要注意 要治療

LDL 119以下 120〜139 140以上

HDL 40以上 39〜35 34以下

(数値の単位は1デシリットル当たりのミリグラム)

=日本動脈硬化学会の診断基準
 

早期の血糖管理、死亡率低下に効果:なくそう・減らそう糖尿病

早期の血糖管理、死亡率低下に効果:なくそう・減らそう糖尿病
2009年9月18日 提供:毎日新聞社


糖尿病の患者数は、予備群を含め国内で2210万人いると推定され、増加傾向が止まらない。糖尿病治療で最も重要なのは血糖値を低く抑えることだが、食事制限など厳しい体調管理が求められ、実現は容易ではない。

しかし最近の研究で、治療当初に薬や徹底した生活習慣の改善によって血糖値をかなり低く抑える努力をした人は、後々の死亡率や心筋梗塞(こうそく)などの発症確率が低くなるとの成果が相次いでいる。「最初の頑張り」が後々生かされることから名付けられた「遺産効果」が注目されている。【永山悦子】

◇血管傷つける状態、持続させない

夜中に何度もトイレに起き、のどが渇く。体重も10キロ近く減った。昨年夏、千葉県に住む会社員の男性(60)は、心配になって病院を訪ねた。

すると、過去1-2カ月の血糖状態を表すヘモグロビンA1c(HbA1c)が9・6%(正常値は4・3-5・8%)もあった。「糖尿病ですね、すぐ入院しましょう」。そう医師に告げられた。

入院中、「高血糖は血管を傷つけ、心筋梗塞などによる急死につながる」「合併症で目が見えなくなるかもしれない」など、糖尿病の怖さを学んだ。「自分の体調を管理できずに死ぬわけにはいかない」と、インスリン注射を始めた。

狭心症の予防薬など6種類の薬も欠かさない。好きだった酒もやめた。最近のHbA1cは4%台後半から5%台前半と、きわめて良好だ。合併症も出ていない。

男性は「良い血糖値は励みになる。将来のためにも頑張りたい」と話す。

◇ ◇

血糖値を投薬などによって厳格に低く抑える治療法を「強化療法」と呼ぶ。強化療法をした集団は、しない集団と比べ、網膜症など合併症の発症率が低く、その効果が長く続くことは知られていた。

北米で、何らかの原因で血糖値を下げるホルモン「インスリン」の分泌がなくなる1型糖尿病患者を対象にした研究によると、2集団を比べる10年間の試験後、強化療法ではない集団も強化療法に切り替え、さらに10年後の心筋梗塞などの発症率を比べた。すると、最初から強化療法をしていた集団の発症率が約4割低かった。

また、英国で、生活習慣の乱れなどが原因で発症する2型糖尿病患者を対象にした研究では、1978-97年に強化療法をした集団と、しない集団を比べた。97年までは心血管疾患の発症率、総死亡率に差はなかったが、07年時点では強化療法の方が、心筋梗塞の発症率が15%減、脳卒中の発症率が9%減、総死亡率が13%減となった。

研究チームは「早期からの徹底した血糖値管理の効果は長く続く」と報告、この効果を「遺産効果」と名づけた。

◇ ◇

日本糖尿病学会理事長の門脇孝・東京大教授は「高血糖状態は、血管内皮に障害を引き起こす。それがやがて動脈硬化や狭さくにつながり、心筋梗塞などを起こす。

強化療法は、病気の根本への影響を排除する治療のため、効果が表れるまで時間がかかり、取り組んだ時間に応じて効果が続くのではないか」と分析する。血管に負担を与える高血糖状態を短期間にとどめるためにも、早い時期の取り組みが意味を持つ。

門脇教授が注目するのは、デンマークで実施された強化療法に関する研究だ。強化療法の集団は、血糖値に加え血圧、血中脂質も、良好な数値を8年間維持することを目指した。08年に発表された論文によると、試験終了5年後の強化療法の集団の総死亡率、心血管疾患の発症率は約半分に抑えられていた。

この試験は対象が160人と少なかったため、門脇教授らは06年から、国内の計2542人の2型糖尿病患者を対象に同様の比較試験をしている。強化療法の集団は、HbA1cを5・8%未満に抑え、血圧、血中脂質も厳格に管理する。

薬も使うが、血糖値を大幅に下げるには生活習慣の改善が欠かせない。門脇教授は「生活習慣を変えれば、飲む薬を減らせる。試験参加者の1日の歩数も増えており、生活習慣改善のきっかけにもなっているようだ。日本人の患者の総死亡率を下げるため、効果的な治療法を見いだしたい」と話している。

WHO 今年中にも新基準を公表へ HbA1cを糖尿病の診断基準に

WHO 今年中にも新基準を公表へ HbA1cを糖尿病の診断基準に カットオフ値は糖尿病網膜症の発症率を検討

2009年4月17日 提供:Japan Medicine(じほう)

世界保健機関(WHO)が糖尿病の診断基準に、HbA1c値を導入する方向で議論を進めていることが明らかになった。カットオフ値は、HbA1c値と糖尿病網膜症の発症率との相関を検討し、定める方針。

空腹時血糖値をはじめとした従来の診断基準では、持続性高血糖を十分に示していないと判断した。今年中にも、新たな診断基準を公表する。

WHOがもともと1998年に定めた糖尿病の診断基準は、<1>空腹時血糖値≧126mg/dL<2>75gOGTT(75g経口ブドウ糖負荷試験)2時間値≧200mg/dL<3>糖尿病の症状と随時血糖値≧200mg/dL-以上のいずれかの場合とされている。

改訂に際し、WHOでは各国の糖尿病の専門家を一堂に集めた「エキスパート・コンサルテーション・ミーティング」を3月28-30日に開催し、糖尿病の診断基準をめぐる検討を行った。

日本の代表として会議に出席した日本糖尿病学会の門脇孝理事長(東京大大学院医学系研究科糖尿病・代謝内科教授)は本紙の取材に応じ、「従来の診断基準とともに、HbA1cを取り入れようという意見が相当強かった」と述べた。

これまでもHbA1cの有用性は指摘されてきたが、測定法の違いや国家間での測定値のバラツキがあることが国際的な指標として用いる上での課題となっていたという。しかし、2007年から国際標準化が進み、“バイアス”が解決されつつあることから、検討をスタートしたという。

持続的な高血糖示す「一番良い指標」

HbA1cは、採血時から過去1、2カ月間の平均血糖値を反映する指標。インスリン作用の不足を示す“持続的な高血糖”を示すのに「今、考えられる一番良い指標」と門脇氏は話す。さらに、1人の患者が異なるタイミングで検査を受けた際の再現性も高いというメリットもある。

これに対し、従来指標として用いられてきた空腹時血糖値や75gOGTTは、空腹時やブドウ糖を負荷した特殊な条件下で測定されていることから、「24時間の血糖値を反映する指標にはなりにくい」(門脇氏)。加えて、検査前何日かの食事内容の影響を受けることから、再現性も懸念されてきた。

すでに治療目標としては活用されているHbA1cが診断基準に加わることで、「診断の根拠から治療のターゲットまで一貫しているし、空腹時の採血も必要ない。プライマリケア医にとっても患者さんにとってもメリットは大きい」と臨床上のメリットも強調する。

一方で、HbA1cを指標として用いる上での課題について門脇氏は「赤血球寿命が短縮している病態には使えない」と指摘する。具体的には、溶血性貧血や肝硬変、出血があるケースなどだ。

「アフリカで発生しているマラリアが溶血性貧血を起こすことから、今回の会議でも議題にあがった」と門脇氏。これらのケースでは、従来の空腹時血糖値や75gOGTTでの診断が必要になるという。

26日に診断基準検討委員会が初会合

日本糖尿病学会の診断基準検討委員会では、このような世界の流れを踏まえ、26日に初会合を開き、議論をスタートさせる。

現行のガイドラインでは<1>早朝空腹時血糖値≧126mg/dL<2>75gOGTT2時間値≧200mg/dL<3>随時血糖値≧200mg/dL-を2度以上確認する、またはこれらを1度確認し、かつ明らかな糖尿病の症状がある、など持続的な高血糖の存在に合致する所見を有する患者を糖尿病と診断している。

この基準は「日本独自の根拠をもって決めた」(門脇氏)ことから、空腹時血糖値や75gOGTT2時間値の診断基準に該当するHbA1c値についてのわが国のデータを検討する。

合わせて、網膜症の発症率についても検討する。広島原爆障害対策協議会が行う「被爆者の健康管理に関する調査研究事業」のデータを引き合いに出し、HbA1cが(現在の治療目標である)6.5%以上を超えると、「明らかに網膜症の発症率が増加している」(門脇氏)とした。

その上で「個人的な考え」と断った上で、「早期発見・早期管理のためには6.5%より低い値が望ましい。ただし、わが国のHbA1c値とWHOや米国でのHbA1c値の間の“バイアス”も十分に考慮に入れて策定をする必要がある」との見解を示した。


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生活習慣病とメタボ腹「関連強くない」…厚労省研究班

2009年3月2日 提供:読売新聞

メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の診断基準は、腹囲が男性85センチ以上、女性で90センチ以上あることを必須条件としているのに対し、単に腹囲が大きいだけでは生活習慣病の危険要因としては不十分という調査結果を、下方浩史・国立長寿医療センター(愛知県大府市)研究所部長を班長とする厚生労働省研究班がまとめた。

 メタボ基準を巡っては、男性の腹囲が女性より厳しいことなどについて異論が続出しており、今回の結果も見直し論議に一石を投じそうだ。

 研究班では、無作為に選んだ愛知県内の40-82歳の男女3253人について、内臓脂肪の断面積をコンピューター断層撮影法(CT)で計測。

内臓脂肪面積が100平方センチ以上の肥満の人とそれ未満の人で、2000年から6年間、心臓病や脳卒中を引き起こす動脈硬化の進み具合を、心臓の冠動脈や脳血管の梗塞(こうそく)の有無など6項目で比較した。

 肥満の人は、そうでない人に比べ、動脈硬化のある人の割合が、心臓の冠動脈は女性では約1・2倍だが男性では差がみられず、脳内の細い血管は男性は約1・2倍だったが女性では差はあまりなかった。6項目すべてで差は1・5倍未満にとどまり、「全体として関連はそれほど強くない」(下方部長)と分析された。

 メタボの基準では内臓脂肪面積が100平方センチ以上の場合に危険が高まるとして、それに該当する腹囲(男性85センチ以上、女性90センチ以上)が定められた。

今年度始まった「特定健診」(メタボ健診)では、腹囲が基準を超えていなければ、血圧、血糖値、脂質のすべてに異常があっても、指導の対象にならない。

 

「糖尿病」 治療怠ると医療費5000万円 早期治療患者の6倍にも

産経ニュース 20081211

国民病の糖尿病は、早期から治療に努めなかった患者の生涯医療費が5000万円超と、治療に励んだ患者の6倍にも上ることが10日までに、専門医が初めてまとめた症例別推計で分かった。

患者は毎年50万人増え、2年後には1000万人を突破する見込みだが、半数は未治療や治療放棄者だ。波紋を呼んだ麻生太郎首相の「何もしない人」発言は、実は一理ある。(八並朋昌)

「糖尿病と診断されても半数は治療を受けないか、途中で治療を投げ出す。治療が遅れるほど合併症と医療費が増える」と話すのは、初の症例別生涯医療費を推計した富山大副学長・付属病院長で糖尿病データマネジメント研究会代表理事の小林正さん(67)だ。

厚生労働省の調査では、血糖の指標となるヘモグロビンA1c(赤血球タンパクとブドウ糖が結合したもの)値が6・1%以上の「糖尿病が強く疑われる人(治療中を含む)」は

平成9年に690万人、同5・6%以上6・1%未満で未治療の「糖尿病を否定できない人(糖尿病予備軍)」が680万人だったのが、14年に880万人と740万人、18年は820万人と1050万人に急増した。

背景には遺伝要素に加え、日本人のエネルギー摂取の脂質割合が昭和21年の7%から、平成16年には25・3%に増えたこと、それに運動不足などがある。

「予備軍を含め毎年約50万人の患者が増え、毎日8・2人が糖尿病による視覚障害と診断され、1時間に1・8人が血液透析を始める計算」と小林さん。

「予備軍は境界型糖尿病で、動脈硬化による虚血性心疾患や脳梗塞(こうそく)などの危険があるが、毎年21万〜105万人が糖尿病に進行する」

糖尿病820万人のうち治療を受けているのは410万人で、このうち141万人(34・4%)は血糖制御が順調で、深刻な合併症を防いでいる。未治療・治療放棄の410万人と、治療しても血糖制御が不調な269万人の計679万人は、合併症の危険が高い。

「合併症は軽症段階から心筋梗塞や脳卒中、10年以上続くと透析が必要な腎障害、5〜6年で末梢(まっしょう)神経障害が出て、重症化すれば足が壊疽(えそ)して切断することも。糖尿病網膜症や緑内障は7年以上で出ることが多く、重症なら失明する」

合併症予防には適切な治療が肝心だ。早期なら、食事・運動療法だけで改善する人も少なくない。症状が進めば血糖降下薬なども服用。重症になれば、服薬に加えインスリン注射を毎日2回打たなければならず、合併症の危険は一層増す。

小林さんの推計は、健康診断で糖尿病と診断された同じ46歳の男性で、早期から治療に努めたAさん、専門医を受診しても治療を度々投げ出したBさん、70歳まで治療を一切受けず、生活改善も行わなかったCさんの3例で試みた。

「Aさんの場合、当初は食事・運動療法で血糖を制御できるが、50代で服薬、60代後半で注射も必要になる。それでも目の合併症はなく、腎障害も軽いまま、健康障害が少ない長い人生を送る」

一方、「Bさんは50歳で服薬と注射が必要になり、糖尿病網膜症でレーザー治療を受けても軽度視力障害が出て、腎障害も中度に進む。

Cさんは服薬と注射を始めても、すでに霧視など重度視力障害と末期腎不全で週3回の透析が必要。心筋梗塞や脳卒中の危険もあり、生命の重大な危機と隣り合わせの晩節となる。Bさんも最終的には同じ状況になる」という。

そして、「実感として、高血糖が続けば10人中8〜9人は腎障害が出る。未治療・治療放棄の患者が治療を受けるようになれば、合併症を防げる人は282万人に倍増する」と小林さん。

治療を怠った結果の高額医療費は、ほかの健康保険加入者の保険料や税金で賄われる。麻生首相の「たらたら飲んで食べて何もしない人のカネ(医療費)まで、何で私が払うんだ」発言は、まさにこのこと。重症化の予防には何より患者自身の努力が大切だ。
 


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